台風10号の影響でしょうか。厳しい残暑の翌日は雨模様になりました。朝晩の涼風と虫の声に秋の気配を感じます。食欲の秋とともに読書の秋を先取りして、山中温泉文学散歩その2です。
今回紹介するのは David Joiner さんの "The Heron Catchers" です。主人公のセッジは日本人妻ノゾミと金沢で小さな陶器屋を営んでいましたが、ある日ノゾミが突然失踪します。彼女の足取りと手掛かりを追い、訪れた先が山中温泉の老舗旅館でした。そこでセッジはマリコとその息子であるリクと出会います。山中温泉の美しい情景とともに、主人公をめぐる人々の交流や葛藤を織り交ぜながら物語は展開していきます。
表題にある通り、筆者は傷ついた白鷺をモチーフにしつつ、山中温泉の開湯伝説を美しいラブストーリーに仕立て上げています。また、時々物語に登場する料飲加盟店も、アクセントような役割をになっています。ぜひ手に取ってご覧いただきたい名作です。
1)2)The Heron Catchers表紙と本文
3)芭蕉の館、ストーリーの中ではしばしば「奥の細道」にふれられています
4)主人公がホテルのロビーから鶴仙渓をながめ、シラサギの姿を目にするシーンが印象的です
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